店長日記
迷信だらけのペーパードリップ
昨晩、帰宅した時にちょうどTVでペーパードリップについてやっていまして。
とりあえず色々突っ込んでおきます。
【抽出の前に紙臭さをとるためにペーパーを湯通しする】
不要です。
だって、そもそも臭くありませんし。
実際湯通ししたものと、していないものをくらべても差を感じません。
今でこそ世界中で大ブームのペーパードリップですが、10年ほど前はアメリカでの評判は良くありませんでした。
なぜなら質の良い日本の紙と違い、アメリカのものは臭かったから。
それがハリオのV-60ドリッパーの登場で評価が変わり、今では最先端と『されている』アメリカやオーストラリア、北欧のコーヒーショップでは当たり前にペーパードリップがされています。
ただ、質の良くない匂いのある紙の印象が強いためか、不要な湯通しをする事があるようです。
それを見た日本のコーヒー関係者がなんとなく「湯通し」を輸入してしまったのかなぁと思います。
【はじめにじっくり蒸らす】
コーヒーの抽出の常識みたいに言われてる事ですが、これも不要です。
というか蓋をしてないんだから蒸れませんよね。
蒸気逃げてますから。
【3回くらいに分けてお湯を注ぐ】
もっと小分けで注ぎましょう。
一度に注ぐお湯の量が多いとドリッパー内にお湯が溜まってしまいます。
せっかくお湯の抜けやすいドリッパーを使ってもそれじゃあ意味がありませんね。
粉がお湯に浸かった状態は成分が抽出されにくいため、そうならないくらいの量のお湯を注いであげると良いでしょう。
大事なのは内(粉)と外(お湯)の濃度差なわけで、浸透圧を考えれば良いのですが長くなりそうなのでまたの機会に。
【沸騰しているお湯で淹れると雑味やえぐみが出る】
それはそうだと思いますが、そもそも質の良いコーヒー豆だとそう言った成分が少ないのでほとんど気になりません。
それに、やかんでお湯を沸かしてドリップポット(口の細いポット)に移した時点でほどよい温度になりますし、ほとんど気にしなくて大丈夫です
それよりも、ぬるいお湯(80℃代)で淹れてしまう方が成分がしっかり抽出されずに味も香りもぼやけてしまうので
そっちは気にした方が良いかなぁと思います。
【最後の一滴まで落としきってしまうと良くない。】
落として問題ありません。
味、変わりませんし。
もとえ珈琲でも全部落ち切る前にドリッパーを外すと説明していますが
それはその方が抽出量と抽出時間を合わせやすいからです。
落ち切った時にちょうどいい量になるようにお湯を注ぐのってかなり難しいですし、ムダに時間がかかってしまう事が多いのでやりません。
こう長々と書いてしまうと抽出ってむずかしそうに感じられてしまうかもしれませんが超・簡単です。
米を炊くよりも簡単です。ほんとに。
安いコーヒーメーカーでしっかり美味しく出来るくらいですから。
(コーヒー豆さえ良い物であれば。)
手で入れる場合も小難しいメカニズムを知らなくてもお湯の抜けやすいドリッパーで適切な時間をかけて淹れれば解決します。
そのあたりの事はコーヒー豆を購入された方にお渡しするパンフレットに書いてあるのでそちらをどうぞ~。
- 2016.05.18
- 14:48
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